掛け算の順序について。

私の考えで書いてみる。

小学校では、「長方形の面積は、縦かける横」と教えますが、これはなぜでしょうか。

http://q.hatena.ne.jp/1197768804

「縦4cm横5cmの長方形の面積」
を求めるにあたって、「4×5」が正解で「5×4」は不正解(または減点)、としている先生も多いと思う

この問題について考える。
まず、この「立てかける横」について二つの問題を含む。
一つはなぜ公式がこうなっているのか?
もう一つは、なぜ逆を不正解にするのか?
ということだ。これは全くの別問題であるというのが私の考えだ。

小学校における掛け算の順序。

小学校で習う掛け算の順序には明確に意味がある。それは、
「元になるものが幾つあるか?」ということだ。
元になるものが先でその個数が後の数だ。
200円持っている人×4人のボランティアで800円は、常識的には交換しづらい。
200円を持っている人が4人いるというのが普通だ。人というオブジェクトが4つ(4人のこと)あると考えるのが正しい考え方であると思う。
消費税が単価×税率となるのも、元になるのは単価である。百分率は元々、元になるモノのどれ程分に当るかを表した数だとすると意味の交換は無理である。

「掛け算の順序には意味がある(こともある)」

逆に小学校でいう意味のないものを教えてほしい。
(思いつかないので・・。)
原則は全てこれに当てはまると思うのだが・・。

縦×横の考え方。

これはコメントにあるように、

一辺が1?の正方形の個数を求めるという式の意味を理解できるように指導していく。

□(正方形)が縦にA個並んでいて、さらにその塊と同じものが横にもB個あるので、
縦×横という式になる。
これは意味的にも逆転可能な式である。
□(正方形)が横にB個並んでいて、さらにその塊と同じものが横にもA個あると考えれば、横×縦という式になる。
どちらも正しいというのが私の考えだ。

なぜ公式が縦×横なのか?

これは私は単純にゴロであると思う。現に私の通っていた小学校では逆にしても正解であった。
覚えやすさと言いやすさは公式に不可欠なものである。
小学校で言うところの意味合いでいけば、
半径×半径×円周率という公式は、
半径×(半径×円周率)みたいな形をとっていても不思議ではない・・。
ただ、公式の順序には何かしらの意味がある。
どちらでも構わないとするなら、最後はいい易さであると思う。

その上でなぜ、この公式を誤りとする先生がいるのか?

これは、おそらく中学受験を意識しているのだろう・・。
(以下、偏見を相当含む。)
試験の都合上、採点の際に逆を許すと採点に手間がかかる。掛け算には意味があるという原則にのっとれば、全ての問題で順序逆転は不可能である。採点は数式だけ見て判断すると思っている。その際に、これは逆でも可などとしていては、採点上面倒が生じるのではないか?というのが私の読みだ。マークシート等の受験などではことさら、面倒である。故に受験の際に公式と異なっているとし、不正解にするケースがあるのではないか?公式に沿った記述をしていればその様な心配はほぼない。(たまに、教科書が誤っていた・・。とかそのようなこともあるのだが。)そう云った受験を意識している先生が不正解にするということも考えられる。

最後に

行列だと、A×BとB×Aはイコールではない、ということからしてさっき知ったので。

というこの先生の一般教養に関する汚点はさておき、意味を理解せず公式以外は無条件に誤りとする先生はたくさんいるような気がしてならない・・。
公式の意味について考えている点で、私はこの先生を評価できると思う。