妙に納得できるライフハックを読む意味はあるのか

 ライフハックは未だ後を絶たない人気のネタである。今回は特に自己啓発ものを取り上げてみる。

ライフハックを考える上で

1.万人に共通のライフハックは存在しない


 自分の生きてきた人生と照らし合わせてみよう。生まれも環境も違う中で「こういう気持ちで頑張ろう!」と言われても、果たして自分の置かれた環境でその様な気持ちになれるのか?気持ちの持ちようで人生が変わる。と言われてもそれができない状況だから人は悩むのである。

2.「うんうん」「そうそう」って。


 ちょっと待ってほしい。この「うんうん」「そうそう」って言えると言う事は、既に自分の人生のライフハックとして刻み込まれている、もしくは自分で考えて自ら引き出せる内容ではあるまいか?つまり新しいことは何一つないのである。言いかえれば既に知っている内容と言えなくもないのではないか。知っているが、実行できていない。仮に悩んでいる状況であれば原因は別の場所にあるまいか。

3.ライフハックを知っている人が充実した日々を送れるのか


 少し思い出してみて欲しい。自己啓発について考える時のことを。私の場合だが日々が充実すればするほど、このような事を考えることはない。充実している時には「明日何しようか?」「あれはどうしようか?」という具体的なイメージを描いてはいまいか?多くの場合、自己啓発が生まれる状況は人生に不満を覚えている場合ではあるまいか?


ということを考えていたのだが、ライフハックを否定するわけでもない。人気があるには秘密があり、価値もあるのだと考えてみた。

こんなライフハックなら読む価値がある

1.批判したくなる内容が含まれている

 批判したくなるということは、自分の人生で拒否してきた内容である可能性が高い。一度、本当に拒否すべきであるかを考えてみる機会を与えてくれる。自分が避けてきた部分の真偽を考えることができる。

2.思いもしない内容が含まれている

 1と類似するところもあるのだが、これは自分の人生に新しい選択肢を追加するので意味がある。ただし、その内容が正しいかではなく、あくまで自分の選択肢を増やすだけで最終的な決定は自分で行えばいい。

3.自信が湧いてくる

 自分の考え方に不安がある時に単純に勇気を出して後押ししてくれるのであれば、読んだ価値はあると思う。

こんなライフハックは忘れてしまえ

1.不安になる

 ライフハックは正誤で記述できるものではない。読んで不安になるようであれば、読まない方がいい。ライフハックは人生の不安を失くすためのものである。

2.現在、不安もなければ充実一途である

 より豊かにしたい気持ちもあるだろう。ライフハックは正誤という絶対的な判定はない。一つの成功例に過ぎない。充実している時に読めば、悪い方向に傾く恐れがある。より豊かにしたいのであれば、自分の環境を見つめなおし、自分でライフハックを構築していけばいい。

最後に


ライフハックは参考書ではなく、提案書として読むべきものである。
というのが私の考えなのだが、何故ライフハックを読みますか?